デベロッパーのVARSAV Game Studiosは、『BARKOUR(バークール)』を今年第4四半期に配信予定だ。対応プラットフォームはPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5/XBOX Series X|S。ゲーム内は日本語表示および字幕に対応予定で、Steamでは現在デモ版が配信中。

    『バークール』は、ステルスとパルクールを組み合わせた三人称視点のアクションゲームだ。主人公となるのは、秘密組織M.A.N.に所属する犬のエージェントT.H.U.N.D.E.R.(以下、サンダー)。パルクールの訓練を受け、さまざまなスパイガジェットを使いこなす凄腕のエージェントとして、世界を救うためのミッションへ挑んでいく。

    とはいえ、サンダーはどこまでいっても犬である。自信満々に任務へ挑む一方、物音に反応したり、犬らしい仕草を見せたりと、スパイとしての格好良さと動物としての愛嬌が同居している。開発元はサンダーのアニメーション制作にあたり、元ポーランド特殊部隊「GROM」に所属していた軍用犬からモーションキャプチャ―したことを明かしている。また、開発チームには犬や猫を飼っているメンバーも多く、サンダーの好奇心や活発さ、何かに気を取られる様子などには、身近なペットの行動も取り入れられているという。実際に触れてみると、たしかに主人公の見た目を犬にしただけではなく、「犬を操作している」と思わせる動きへ力が注がれていることが伝わってきた。

    一方、操作自体は軽快だ。サンダーは素早く走り回れるほか、ジャンプや壁走り、スライディングなどを使って地形を駆け抜けられる。また、レール滑走やグラップリングフック、ジェットパックなども存在し、高低差のある場所を縦横に移動可能。開発元によれば、犬という主人公を採用したことで、人間では通りにくい狭い場所や換気口なども自然な移動ルートとして設計できるようになったとのこと。

    デモ版でも、単純に一本道を進んでいく作りではない。屋外のエリアには高低差があり、正面から進むほか、建物や足場を利用して敵の上方へ回り込むこともできた。目的地へ向かう途中には脇道もあり、探索することでアイテムなどを発見可能。加えて、隠し通路や秘密の部屋、収集要素、チャレンジも用意され、新たなガジェットや能力を手に入れたあとで、以前の場所へ戻る要素もあるようだ。

    こうしたマップ構造は、本作のステルス要素とも密接につながっている。敵には視界が設定されており、背後へ回り込めば気づかれずに接近可能。また、「ドッグセンス」を用いて周囲をスキャンすることで、壁越しでも敵の位置や向きを確認できる。周りの状況を把握してからルートを考えられるため、ステルスゲームに慣れていない筆者でも敵の動きを追いやすかった。

    もちろん、見つかったからといって即座にゲームオーバーとなるわけではない。本作ではステルスをひとつの選択肢として位置づけており、敵に発見された場合はそのまま戦闘へ移行できる。開発元も、「ステルスは任意」と説明している。静かに抜ける、敵を倒しながら進む、両方を組み合わせるといった攻略が可能となっているのだ。

    戦闘ではサンダー自身の攻撃に加え、各種「ハイテクガジェット」を利用できる。敵を吹き飛ばすものや、離れた場所で音を出して注意を引くもの、周囲の音を消すもの、電撃で動きを止めるものなど、種類はさまざま。デモ版では遠距離から敵をノックダウンできるガジェットも使用でき、安全な位置から敵を処理することができた。ただし、再使用するには敵を2体テイクダウンする必要があるなど一定の制約があり、ガジェットだけに頼って一方的に進めるわけではない。製品版では30種類以上のガジェットが用意される予定で、敵を水場へ落としたり、別のガジェットと組み合わせたりと、単純な攻撃手段にとどまらない使い方も想定されている。

    開発元は、アクションと即興の余地をもたせるようステージを設計しているという。壁走りやジャンプで敵をかわしながら、ガジェットで動きを止めたり、倒れた敵へ追加攻撃を加えたりできる。デモ版でも、隠密行動から戦闘へ移り、そのまま別のルートへ走り去るといった切り替えはスムーズだった。ステルスゲームでは敵に見つかった瞬間にやり直したくなる作品もあるが、本作では発見された後も別の手段へ切り替えられるため、さまざまな立ち回りを試しやすい。

    難易度についても複数段階が用意されている。デモ版では「落ち着いた子犬(簡単)」「犬のエージェント(普通)」「スリルを求める猟犬(難しい)」「狼(超難易度)」といった設定を確認できた。そのほか、PS Storeではゲームスピード調整やパズルのスキップ、操作確認などのアクセシビリティ機能も案内されているため、製品版ではプレイヤーごとに遊びやすく設定をカスタマイズできるのだろう。

    そして本作を遊んでいて印象的だったのが、サンダーと周囲のキャラクターによる掛け合いだ。作品全体はスパイ映画を下敷きにした雰囲気となっており、会話に加えて効果音やキャラクターのリアクションを使った笑いも盛り込まれている。海外のファミリー向けコメディを思わせるテンポのよいやり取りには何度か笑わされた。

    一方で、会話とゲームプレイの切り替えも自然で、テンポよく遊ぶことができた。サンダー自身が真面目にエージェントを務める一方で、ふとした瞬間に犬らしい仕草や反応を見せる落差も笑いにつながっているのだろう。開発元によれば、本作には味方と悪役をあわせて26のキャラクターが登場予定。コメディだけではなく、物語の中には“ちょっと心に残る場面”も盛り込まれるという。

    サンダーの外見を変更するカスタマイズ要素も用意される。製品版では100種類以上のアイテムが登場予定で、コミュニティから寄せられたアイデアをもとにしたものも存在するようだ。デモ版でも複数の外見プリセットを確認でき、スポーティーな装備やカウボーイ風の服装などへ変更可能。犬の仕草をもとにしたエモートも30種類以上収録される予定だ。

    本作の開発を手がけるVARSAV Game Studiosは、ポーランドを拠点とするデベロッパーだ。2016年に設立され、約40人の開発者が所属。過去にはミツバチを主人公とする『Bee Simulator』などを手がけており、人間以外の生き物を主人公としたゲーム制作を得意としている。『バークール』については約4年にわたり開発が進められているという。

    なお製品版ではゴシック様式の城や植物に覆われた温室、不気味な遊園地、秘密施設など複数のロケーションが登場し、想定プレイ時間は15時間以上。今回のデモ版で触れられたのはその一部にすぎないが、ルートを探しながら静かに潜入する遊びと、ガジェット片手に大暴れする遊びの両方を楽しめた。サンダーが次にどんな場所へ鼻を突っ込み、どんな騒動を起こすのか、製品版での活躍を楽しみにしたい。

    『BARKOUR(バークール)』はPC(Steam/Epic Gamesストア)/PS5/XBOX Series X|S向けに今年第4四半期配信予定。ゲーム内は日本語表示および字幕に対応予定で、Steamではデモ版が配信中だ。

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